家族の話では、3歳頃にはスキーを始めたとのこと。
な〜んにも覚えてはいないけれど、
その頃は、曲がることも知らず、ただひたすらまっすぐにスキーを走らせていたのだろう。
小学生になると、冬の体育の時間はスキーになる。
水曜日の午後だけは、アルペンかクロカン、どちらか好きな方を選ぶことができる。
もちろんアルペンを選んだ私。
ゲレンデは、自宅から徒歩5分。
小さな頃から滑り慣れた、言わば "庭"。
真っすぐ滑って、誰が最初にリフト乗り場まで行けるか、競争するのが楽しかった。
その頃、スキーブームの名残がまだ感じられる時代で、
金曜の夜から日曜の夕方にかけて、関東近郊のスキーヤーの皆さんが、
月2のペースでスキーをしに来てくれるような日々が続いていた。
民宿をしている我が家にも、私が生まれるずっと前から通い続けてくれているお客さんが、たくさんいた。
スキーをしに来ながらも、我が兄弟の成長を見守って来てくれた皆さん。
朝起きると、「あづ!スキー行くぞ。」と車に乗せてくれ、大人に混じってスキーを教えてくれた。
晩ご飯にもお邪魔して、ついでに客室にまで行き、ひたすらおしゃべりしていた。
金曜日の夜は、「もう来るかな?」とドキドキし、
日曜日のちょうど「ちびまる子ちゃん」が始まる時間になると、急激に寂しくなったものだった。
そんな楽しいスキーライフは、4年生の時、一変する。
「あづも入れば?」と幼馴染に言われ、つい入会してしまった競技スキーの強化練習。
まあ、今思えば、幼馴染に言われようが言われまいが、入会していたんだろう。
スキーが強くないといけない、そんな家庭環境だったから。
た〜だ、その強化練に入ったことは、未だに悔やまれる・・・。
さほど上手でもない女子、しかも山奥の学校からたった1人来た女子ということもあり、
気づかないうちに、いじめの対象になっていたらしい。
身に覚えのないことで怒鳴られ、ケチをつけられる。口もきいてもらえない。
そんな中でも通えたのは、とっても優しいお姉様方のおかげ。
それは今でも、感謝している。
ただ、楽しかったスキーが、いつの間にか別のものに変わってしまっていたのは事実。
『勝たなきゃいけない』『遅いといじめられる』『かっこよく滑れなきゃ、友だちできない』
どう頑張っても上手になれず、そのうちスキーが大嫌いになっていった。
小学校卒業と同時に、スキーからも卒業した。
久々にスキーに行ったのは、大学2年生の冬。
大阪の友だちが遊びに来てくれるというので、一緒にスキー場へ行った。
6年以上滑ってない・・・大丈夫かな・・・?という不安の中、懐かしのゲレンデへ。
青く澄みきった空、真っ白に輝くゲレンデ、スキー場を囲む白い山々。
景色の素晴らしさと、懐かしさに、熱いものが込み上げて来た。
確かあの日は、ナイターまで行ったんだったなぁ。
久々のスキーで、友だちと過ごした楽しい時間の中で思い出した、スキーの楽しさ。
1年のうち、限られた時期しか楽しむことのできないスキー。
ならば、目一杯楽しんでやろうじゃないか!
そう思い、その冬の2月は、ほぼ毎日スキー場に通った。
そして今日。
日本に帰国してから、初めてのスキー。
やっぱり楽しい。最高。
あんなに大嫌いだったスキーだけど、
15年経った今、ワックスのかけ方・ビンディングの調節方法・スキーのテクニックなど、
イチから学び直したいと、心から思っている。
こんな日が来てくれて、本当によかった!
そして何より、こんな日が来ても、困ることなくスキーを楽しめるよう、
小さい時から教えてくれた多くの皆さんに感謝の気持ちを忘れずに・・・♡
明日もスキーしてこよっと!