ここ、オランダで正式に働き始めて、2年が経った。
何とも早い2年間だった。
日本語教育会の先駆者が揃った、外大での毎日。
そんな恵まれた環境から、ぽ〜んっ!と一人で飛び出して来た自分。
もちろんここにも、心優しく見守ってくださる方々は多い。
でも、外大時代に先生や友達にしていたような、教育関連の相談事ができない環境。
他の人の教案・授業を見て、お互いに意見を出し合って、
切磋琢磨しながらお互いにスキルを磨いて行く、あの環境が懐かしかった。
でも、環境のせいにはしたくない。
ここに呼んでいただいたからには、ここでしかできないことをやる。
自分で考え、自問自答し、何度も何度も書き換えて、実行に移す。
正解だったこともあるし、間違いだったことも数えきれないほど多い。
「現場で教壇に立つより、教材作ってる方が、自分には向いてるな〜」
と、何度も、いやいや、ほぼ毎回思ってる。
それでも次の授業が始まる。かわいい学生が待っている。
「あづさ先生!!」と言って、笑顔を向けて来てくれる。
うん。こりゃ、やるっきゃねーっぺさ。
強くならなきゃ。
元々かなり泣き虫な性格。ちっちゃい頃から、よく泣いてた。泣き真似してただけで、本当に泣いてしまうほど、涙腺ゆるゆる。
そーいえば、働き始めてから泣いたの、1回だけだな。
強くなろう。もっともっと、強くなろう。
強さを得ようとして、私が失ってしまったのは、素直な心。
大学時代、友達がよく褒めてくれていた、素直に喜べる心。
2年間、強くなろうとした結果、強さの勘違いをしていたのだと、気づいた。
夏休み。久々の帰郷。
心の底から、思う存分のんびりしてみた。
うれしいことを「うれしい」と、楽しいことを「楽しい」と、言葉にしてみることにした。
すると、毎日がとてもとても楽しくて、穏やかな時間が流れるようになった。
楽しい。どうしよう。楽しすぎる!!
夏休みの終わりが近づくにつれて、ふと不安になった。
「はて・・・私は果たして、あの強くならなきゃ生活に戻れるのだろうか・・・?」
本気で悩んだ。正直、日本に残りたいという気持ちの方が勝っていた。
「こんなんで、授業できるのか・・・?失礼じゃないか・・・・??」
どうしよう。
出発前日、父と母と一緒にドライブに行った。
すると母が、「でもさ、働くっていいことだね!あづを見て思ったよ。」と言った。
母が、私が働くことを誇らしげに語ってくれている・・・!!
そして父も、「あづが向こうでがんばってるって思うと、お父さんもがんばろうって思うなー。」と・・・。
東京へ向かう新幹線の中で、初めて泣いた。ぼろぼろ泣いた。
ふるさとで、応援してくれている人がいる。
ふるさとがあって、ふるさとがあの町で、本当によかった。
きっとこれからも、がんばれる。
『志をはたして いつの日にか 帰らん』
−東日本大震災チャリティーコンサート 第三部 『ふるさと』を聴いて思ったこと−